マーケティングの基礎

同じ商品でもこれをするだけで売上があがる!?【プロスペクト理論とは】

はじめに

「商品が売れない!」そんな売上が伸び悩んでいるかたいらっしゃいませんか?

本日は、商品を変えなくてもこれをするだけで売上を上げることができる方法をお伝えします。

それは「プロスペクト理論」です。

プロスペクト理論とは

プロスペクト理論とは

損失回避性とも呼ばれ、人は損失に対して過剰に評価する傾向にあり、現実の損得と心理的な損得とが一致しないということを指します。

プロスペクト理論は、1979年に行動経済学者であるダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが提唱した理論です。

それまでの経済学では、「人はつねに合理的に意思決定する」という考えが前提でしたが、この考えでは人間が起こす行動パターンを正しく説明することが困難で、予想と現実の間に大きなズレを生んでいました。

では、この理論が具体例にマーケティングではどのような手法で活かされているのかを見ていきましょう。

マーケティングにおけるプロスペクト理論とは

期間限定

プロスペクト理論の身近な例としてまず挙げられるのが、期間限定キャンペーンです。オンラインショップやテレビCM、店内の広告で頻繁に目にしている方も多いのではないでしょうか。実はこの期間限定キャンペーンも、プロスペクト理論を用いたマーケティング手法の1つです。 「いつでも購入できる1万円のワイン」も、頭に「期間限定」というワードがつくだけで、人はワインの本当の価値が見えにくくなります。冷静に考えれば、よほど希少な原材料を使っていない限り、今しか買えないということはありませんが、期間限定という言葉がその事実をゆがめてしまうのです。

わたしはこの手法を見て、冬季限定のチョコレートを毎年買ってしまっていることに気づきました。

無料・割引キャンペーン

期間限定の派生ですが、無料・割引キャンペーンもプロスペクト理論を上手に活用した事例です。損失回避の心理が働き、「このタイミングを逃すと損をするかもしれない」と意思決定のきっかけに繋がりやすいことが分かっています。一方で、年中閉店セールをやっていたり、いつ見ても何かしらのキャンペーンを実施していると、このキャンペーンの効果が狙い通りに作用しない可能性があるので、実施するタイミングには注意が必要です。

コピーライティング

コピーライティングも、プロスペクト理論を上手に活用したマーケティング手法の1つです。テレビCMなどで顧客に強い恐怖を与えず、それとなく損失を提示するといった形で、プロスペクト理論がコピーライティングに活用されています。 ある清涼飲料水が暑い季節だけでなく、乾燥する冬のシーズンでも人気である理由もプロスペクト理論が上手に活用されているためです。「暖房によって空気が乾燥しているかどうか」という事実ではなく、乾燥するリスクがあることを提示し、顧客の心理作用を活用しているのです。

優遇情報

「〇〇を見たと言っていただいた方は半額」・「2個頼むと1個無料」といった優遇情報も、プロスペクト理論を活用した事例です。根底にある心理変化は全て同じなので、優遇情報も損失回避の心理に働きかけています。

ポイント付与

家電量販店や決済サービスなどで目にすることの多いポイント付与も、プロスペクト理論を活用した手法です。貯まっているポイントを使わないと損という思考を利用して、顧客の再来訪を促しています。これをさらに活用しているのが有効期限付きのポイントです。期限が切れる前にポイントを使わないと損という心理になり、その時に何か欲しいものが特になくても購買に至ってしまうことがあります。

私は楽天市場のヘビーユーザーなのですが、0と5のつく日はポイント5倍というシステムがあります。その日は特にものすごく欲しいものがなくても購入しないと!という気持ちになりお買い物をしてしまいます。また、期間限定ポイントというも期限付きのポイントもあり、期間内に使い切ろうとしてそこまで強く欲しくないものを購入してしまうことがあります。

返金保証・修理保証

家電量販店でよく見る返金保証や修理保証などもプロスペクト理論を活用しています。特に家電のような高額商品では、「すぐに壊れたらどうしよう」という不安がつきまとうので、修理補償という特典が効果的に作用するのです。また、コロナ禍で旅行代金のキャンセル代の負担なしなども、同様の効果を狙ったものと言えるでしょう。

おわりに

今回は、商品を変えずに売上を上げる方法をご紹介しました。

みなさんも、ぜひこのプロスペクト理論を活かして売上を伸ばしていきましょう♪